履き込みレポート

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8595オイルドレザーエンジニアブーツ

経年変化の楽しみを伝えたい。そんな単純な思いからこの企画はスタートした。一年中、エンジニアブーツを中心にブーツしか履かないショップスタッフN。6月のスタートも季節関係なし。まさに適任。もちろん好みでエンジニアブーツをチョイス。

今回は、オイルドレザーの経年変化レポートなのでオイルドレザーエンジニア定番OB-8595。オイルドレザーは文字通り、通常より多くの油分が加えられてなめされている革で、油分の多さゆえ撥水性に富み、革の厚さの割りにしっとり柔らかい。また、木型は日本人の足に合ったEワイズ、ファスナーも装備され着脱も容易。ファーストタッチから不安はなし。

購入後すぐにキメの細かい手ぬぐいでミンクオイルをたっぷり塗り込む。週一ペースで、ホースオイルも使用して乾燥対策。光沢も増す。

履き始めから3ヶ月が経った、8月。トゥーの擦れた部分が少し白っぽくなってきた。ダメージ部分を濃くして深みを出すためブーツに色目を合わせた革クリームを使用。

履き始めから4ヶ月経った9月。これまで根気強くオイルメンテナンスをおこなった成果もあり、革のヌメリ感がとても良く、足入れやファスナーの開閉もさらにスムーズに。

履き始めから半年経った、12月。気になる個所の擦れとキズを中心にミンクオイルでメンテナンス。キズにもミンクオイルは効果的。浸透力がよく、手入れをした際の見た目の変化も判り易い。ヘビロテ使用でしぶといキズも出来きてしまったが…それもまた味。

履き始めから7ヶ月が経った、1月。メンテナンスは、レザークリスタルを使用。天然のオイルだけあって革が“潤っている”ような見た目に。

履き始めから8ヶ月が経った、2月。ソールカスタム実行。車やモーターサイクルのタイヤのように消耗品であるソールは、交換は可能。だが、1年も経っていないのにオールソール交換とは。カスタム好きのオーナーは強引実行。Vibram#700、ヒール積み上げ。純正のクレープソールの軽さとクッション性のよさと引き換えに、屈曲性のよさと、クラシカルな見た目で耐油性を備える足回りにカスタム。Vibram#100のハードな見た目の存在感も良いが、クラシカルな見た目の#700チョイスはオーナーの趣味趣向が表現されたカスタムとなった。

履き始めから11ヶ月経った、4月に突入。ブーツクリームでひたすら磨く磨く。そしてヘビーで履きまくる。

最終月
ブーツクリームを軽く塗り込む程度で、最後までひたすら履きまくる。1年の成果としては、赤みの強いチェリーの様なブラウンで例えるならコードバンのような輝きに。ショップスタッフが、新しいブーツに足を入れた瞬間、ブーツオーナーになり、1年間で、無二の存在となるブーツを育て上げました。

ブーツオーナーになる喜び。ブーツは履く人間の生き方や趣味が素直に反映されます。

もちろん、メンテナンスに正解はありません。経年変化に完成もありません。

経年変化を楽しむ。がんばるのではなく、楽しんでください。このレポートは、そんな楽しみの少しでも参考になれば幸いです。